韓国の眉アートで「今日はまだ入れない」と言われやすい眉の条件
執筆 KCODI医療通訳チーム · 日本語デスク更新日 · 6 分で読めます編集 KCODI医療通訳チーム
結論から言うと韓国の眉アートは、以前のアートメイクの残り方、眉まわりの肌、服薬、帰国までの日数によって、その日に入れるか延期するかが分かれます。判断するのは医療機関の医師で、写真と薬の情報を事前にそろえると相談が進みやすくなります。

眉アートの相談で、通訳として訳すことになる文の一つに「今日はまだ入れないほうがいいかもしれません」があります。韓国で眉アート(アートメイク、英語ではsemi-permanent makeup)を考えている方のうち、以前のアートメイクが残っている方、眉まわりの肌が荒れている方、帰国までの日数が短い方は、この言葉に出会いやすい傾向があります。
韓国の眉アートで最初に決まるのは、形や色ではありません。「その日に入れてよい眉かどうか」です。判断するのは提携先の医療機関の医師で、私たち通訳チームは判断をしません。以下は、相談室で分かれ道になりやすい条件を、確認される順に並べたものです。日本で「今の状態だと難しい」と言われた方は、どの条件に当てはまるのかを照らし合わせてみてください。
以前のアートメイクが残っている眉に、上から重ねて入れられますか?
重ねられるかどうかは、残っている色と形しだいです。薄く均一に退色していれば重ねる方向で話が進むことがあり、青み・灰色・赤みに変わった色や、左右の形のずれが目立つ場合は、先に除去をすすめられることがあります。
相談室でよく見かけるのは、ご本人は「もうほとんど消えた」と思っていても、すっぴんで近くから見ると輪郭が残っているという場面です。米国食品医薬品局(FDA)は、アートメイクは入れた直後に満足できても退色することがあり、深く入った色素が広がってぼやけて見えることもあると説明しています。古い色の上に新しい色を重ねたとき、どう見えるかは色素の残り方で変わります。
そのため医師は、残っている色の種類、にじみの範囲、皮膚の厚みを見たうえで、重ねるか、除去を先にするかを決めます。除去を挟む場合、眉アートは別の渡航になることも考えておくと、日程の組み直しで慌てずにすみます。除去の方法や回数は韓国でアートメイクを除去するときの流れにまとめています。
肌と体調で「今回は延期」になりやすい条件
眉まわりの炎症、日焼け直後、傷あとが盛り上がりやすい体質、血液をサラサラにする薬の服用、妊娠・授乳中は、施術前に確認される代表的な項目です。延期になるか、条件付きで進むかは医師が判断します。
| 状態 | 相談室で聞かれやすいこと | ありうる判断 |
|---|---|---|
| 眉まわりのニキビ・湿疹・かぶれ | いつからか、何を塗っているか | 落ち着くまで延期 |
| 日焼け・ピーリングの直後 | 最後に受けた施術と日付 | 日をあけるよう言われる |
| 傷あとが盛り上がりやすい(ケロイド体質) | 過去の傷の治り方 | 慎重に検討、見送り |
| 抗凝固薬などの服用 | 薬の成分名と量 | 日本の主治医への確認が必要になる |
| 妊娠中・授乳中 | 現在の時期 | 見送りが検討される |
FDAも、アートメイクのリスクとしてケロイドの形成や感染、アレルギー反応を挙げています。表の項目は、こうしたリスクが出やすい状態かどうかを見るためのものです。
服薬について、通訳の現場で困りやすいのは薬の名前です。日本の商品名は韓国の医療機関では通じないことが多く、成分名がわからないまま相談が止まってしまいます。お薬手帳のページを写真に撮って持っていくと、成分名をその場で確認できます。
日本で描いている眉の形は、韓国でもそのまま伝わりますか?
希望の形は、言葉よりも写真で伝えたほうがずれが少なくなります。韓国では平行に近い眉がよく見られると言われ、日本でふだん描いている眉山の角度と違うこともあるので、自分で描いた眉の写真を見せるのが近道です。
多くの場合、施術の前に下書きを描き、鏡で確認する段階があります。ここで「少し太い」「眉頭が近い」と感じたら、遠慮せずに伝えてかまいません。下書きは何度でも描き直せますが、色を入れたあとの修正は簡単ではないからです。当日の流れ全体は韓国アートメイクの種類と当日の流れで順番に紹介しています。
色素の名前を控えておくと、数年後にリタッチや除去を日本で相談するときの手がかりになります。
帰国便とリタッチの間隔は、何日あれば足りますか?
1回目の施術後は、かさぶたや皮むけが落ち着くまで1週間前後かかると説明されることが多く、リタッチは色の定着を見てから数週間以上あけるのが一般的です。1回の渡航で2回分を終えるのは難しいと考えておくと、計画が立てやすくなります。
施術の直後は色が濃く見え、数日たつと落ち着いてくることがよくあります。翌朝ホテルの鏡を見て「濃すぎたかもしれない」と不安になる方は少なくありません。色の見え方が変わる途中なのか、医師に診てもらうべき変化なのかは、施術した医療機関に写真を送って確認するのが確実です。
帰国後のリタッチを日本で受けたいと考える方もいます。ただ、ほかの医療機関で入れた眉のリタッチを受け付けるかどうかは施設ごとに違います。韓国で2回目まで受けるつもりなら、1回目の時点で2回目の時期の目安を聞き、次の渡航日を仮で決めておくと日程がぶつかりにくくなります。
色の変化・アレルギー・MRI検査まで含めた眉アートのリスク
眉アートの主なリスクは、感染、色素へのアレルギー反応、肉芽腫やケロイド、色のにじみや退色、そして除去の難しさです。FDAのファクトシートは、MRI検査の際に施術部位の腫れや熱感が報告されていることも挙げています。
アレルギー反応は、入れてから何年もたってから出ることもあるとされています。MRIについてFDAは、検査を避けるのではなく、アートメイクがあることを放射線科の医師や技師に伝えるよう案内しています。日本で健康診断や検査を受ける予定がある方は、問診票に書いておくと伝え漏れを防げます。
FDAは、アートメイクの除去はとても難しく、何回もの施術が必要になり、傷あとを残さずに完全に消すのは難しい場合があるとも述べています。体は年齢とともに変わり、流行の眉の形も変わります。今の流行に合わせた形が数年後にどう見えるかも、デザインを決めるときの判断材料の一つです。
日本の厚生労働省は、アートメイクを医行為と位置づけ、医師免許のない者が業として行えば医師法第17条に違反するとしています。韓国で受ける場合も、施術を受ける場所が医療機関かどうかは予約前に確かめておきたい点です。リスクの全体像は韓国でのアートメイクの失敗例とリスクでも扱っています。
予約前にそろえておく写真とメモ
延期になるかどうかの多くは、渡航前にわかる情報で見当がつきます。相談の前に、次のものを手元にそろえておくと話が進みやすくなります。
- すっぴんの眉を正面と左右から撮った写真(明るい場所で)
- 以前のアートメイクの時期と回数、受けた場所の種類(わかる範囲で)
- 服用中の薬と塗り薬の成分名(お薬手帳の写真でも可)
- 化粧品や金属でかぶれたことがあるか、傷あとが盛り上がりやすいか
- ふだん自分で描いている眉の写真
- 渡航日と帰国便の時刻
眉アートを扱う医療機関の情報は眉のアートメイクのページ、皮膚科全体は皮膚科の施術一覧にあります。相談内容から医療機関を探したいときは相談内容から探すページ、通訳チームについては医療通訳チームの紹介をご覧ください。
日本で「難しい」と言われた理由を覚えているなら、その言葉をメモにして、すっぴんの眉の写真と一緒にLINEで送ってください。提携先の医師が確認する際の材料になります。結論が「今回は入れない」「先に除去を」になることもありますが、それが渡航前にわかれば、航空券を取り直す必要はなくなります。


